転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)
墓穴を掘ったと焦るエマは、目を泳がせてモゴモゴと言い訳をする。

「レミリア様は、その……感情をあまり表に出さない方なのです。ですが、私にはわかります。青バラの花束には本当にお喜びで、刺繍も夜遅くまで一生懸命にされていて……」

王太子がプッと吹き出し、近侍もつられたように笑った。

なぜ笑われたのかわからないエマが目を瞬かせたら、優しげな目を向けられた。

「失敬。君ほど忠義に厚い侍女は珍しいと思ってね。あわよくば自分が気に入られたいとアピールしてくる侍女は何度も見たことがあるが、君は口を開けば『レミリア様』だ」

そんな厚かましい侍女がいるのかという驚きもさることながら、自分と王太子がどうこうなることなど微塵も考えたことがなかったので、慌ててしまう。

両手を顔の前で振って大急ぎで否定した。

「め、滅相もございません。私はこんなに地味顔の末端貴族の娘です。恋愛も結婚も考えておりません。レミリア様をお幸せにすることが、私の全てなのです」

「変わった侍女殿だ」

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