転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです（汗）

三人掛けソファの端に座り、なにかがびっしりと書かれた用紙を膝に置いたシンシアに、エマとレミリアは首を傾げた。

シンシアはウフフと笑って一枚目を読み上げる。

「レミリアちゃんに問題を出すから答えてね。第一問。次のテーブルマナーのうち、間違っているのはどれでしょう。①パンはスープを飲み終えてから食べる。②カトラリーは外側から使う。③会食の終わりにはナプキンを綺麗にたたむ」

「③……シンシア、どうしたの？」

「正解！　ナプキンを綺麗にたたむのは美味しくなかったというサインになるから、してはいけないわよね」

レミリアは怪訝そうな顔をして、エマは唖然としていた。

（突然のクイズ。これって……）

ブルロズでは、ヒロインの邪魔をする悪役令嬢であったレミリアがクイズを出してきた。

間違えれば『こんな問題も解けないなんて貴族令嬢失格よ』と嘲笑いされ、ヒロインのステータスも上がらない。

そのクイズをシンシアが出してきたので、エマの心は前世を信じる方へ大きく傾く。