平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
『とても喜ばしいことで、安心しております』

『領主様、ずっと健康で、お元気でいてください』

『どうか、お一人でご無理をされませんように』

相棒獣と相棒騎士は、パートナーがいてこそ最強の戦闘獣と騎士になれる。魔力を繋げることによって、互いの治癒能力も引き上げられるという。

――今のジェドは、以前に比べても顔色がよく元気そうだ。

領主と軍人の両立ながら、疲労感もあまり引きずらなくなったらしい。つまりは以前のように、無理やりで体を動かしている現状はなくなったのだろう。

なのでリズも苦労の反面、コーマックたちと「仕方ないか」と笑い合ってもいた。連日、仕事に空きを作っては、届く手紙などの仕分け作業にあたっている。

「ごほっ!?」

その時、ふと一つの手紙を前に、コーマックが盛大に咽た。

「なんだ? なんかあったんすか、副団長」

「どれどれ」

そう言いながら覗き込んだ部下たちが、直後「げっ」と後ずさる。

リズは、その様子を見つめてきょとんとした。一体なんだろうと思って文面を見ようとした途端、コーマックが慌てて手紙を自分の背へと隠した。

「リズさんは、読んじゃいけませんっ」

「え? どうしてですか?」

「そ、その、あまり女性が読んでいい内容では……」

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