平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
ぎしりと彼が動くのを感じた。けれどもう眠くて眠くて、リズは目を開けていられなかった。

「リズ。リズ、まだ寝るな」

髪をすかれる感触がした。

「お前は、ああいうきらきらとした男が好きなんじゃないのか? 今の俺は、軍服もきちんと着込んでいない。気取れてもいない、ただの男だ」

「んん? 何を言っているんですか。団長様は、団長様じゃないですか」

シャツの上着だけでもくらくらするイケメンだというのに、一体彼は何を言っているのか。

ああ、とても眠い。何を話しているのか分からなくなってくる。

頭を撫でられているリズは、手探りでジェドのシャツの袖を握った。知らず知らずの行動だったが、掴まえた途端に不意に安堵感が込み上げた。

昨日のパーティーでも自分がずっとこうしていたのを、ふと思い出す。

「初めてのお屋敷や王宮が、不慣れで心細いです。でも、団長様がいるから」

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