平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
思えば、ずっと彼が頼りだったのに気づく。あの密猟団の一件で、大きな穴に落ちてしまったリズを助けてくれてから、まるで彼だけ色彩が増したかのように不思議と目について。

ジェドの存在が、あの日を境に大きくリズの中に居座った。今日はほとんど一人で動いていて、そしてようやく二人きりになって緊張が抜けたのだ。

「団長様のそばが一番落ち着けるんです」

うつらうつらと口にしながら、リズの意識は眠りへと落ちていった。



そのまま、すぅっとリズの呼吸が寝息に変わる。

「そんなに安心されたら、余計に手を出せんだろうが」

ジェドは、若干赤くなった頬をぐいっとやって、彼女につままれている袖から目をそらした。

「くそっ、可愛いな」

昨日のパーティーでも、ずっと自分にしがっていた彼女を愛らしく思った。信頼されているように感じて、つい予定以上に振り回してしまったのは反省している。

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