平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
掴まれた袖をそのままに、ジェドは八つ当たり気味に横になった。

好きだと自覚して、よくよく見ていくようになってから、どんどん知れていく彼女に愛らしさが増してたまらない。

――昨日の就寝では、実のところジェドが一番落ち着かなかった。

予定よりも、かなり早く起きてしまった。それからずっと寝顔を見つめていただなんて、彼女に知られたら、女々しい男だと思われてしまうだろうか?

「この俺が、こんなに悩まされることになろうとは……」

どんな激務だろうと、取り乱すことなく集中して完璧にこなしてきた。それなのにジェトの中に、ひょんと飛び込んできたリズの存在。

今朝の件は、だって仕方がないのだ。

目が覚めた時に、隣ですやすやと眠っている彼女の顔が、視界いっぱいに飛び込んできた瞬間に心を奪われていた。

その様子が、とても新鮮でジェドの胸はいっぱいになったのだ。

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