平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
じっと見られ続けているのにも耐えられず、リズはひとまず、ジェドをソファまで連れて行くことにした。

どうにか彼は移動に従ってくれたが、手を離してくれなかった。苦しいのだろうか。痛いくらい握り締められていて、リズは緊張を覚える。

もしかしたら急病の可能性も考えて、彼をそっとソファへ座らせた。

「あの、お水を用意しますから、少し離してくれますか?」

グラスに水を準備しようとするものの、緊張が指先に伝わって、うっかり少しこぼしてしまった。

グラスを支えていた左手が濡れてしまった。リズは、不甲斐無さにじわりと涙腺が緩んだ。一人では何もできないのだ。

ここは強力をお願いしようと思って、心強い相棒の方を振り返った。

「カルロ――」

その瞬間、後ろから回ってきた腕に引き寄せられ、ぼすんっとジェドの上に座ってしまった。

「どうして、カルロを呼ぶんだ、リズ」

背後から、肩をぎゅっと抱きしめられる。

耳にかかる吐息が熱い。リズは、妙な緊張を覚えて胸がドキドキしてきた。頭の中が大混乱になりかけなずらも答える。

「えっと、その、手が濡れてしまって、うまく水も入れられなくて」

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