平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
一通り話を聞いたところで、ジェドが小さく吐息をもらし、ソファに深く背を預けてそう言った。

「閲覧を希望している国に関しても、ほとんどが我が国との親密国。他はその小国関連と思えば、強く警戒するようなところは思い当たらないがな」

「ですが、完全に信頼できるかと言われれば、そうではない」

「お前は相変わらず慎重派だな」

「そこはジェド団長と同意見かと。続く入国の混雑に便乗して、入ってくる外国の者たちもいる可能性を考えれば、警戒など尚更です」

何せ白獣は、この国唯一の魔力保有種の戦闘獣だ。

とくに外国となると、その値は国内の数十倍にも跳ね上がる。そのため不法売買に関しても、とくに外国関係は警戒もされていた。

「我が国で、白獣は大変貴重な生き物であり、唯一無二の特別な戦闘獣です」

エドモンドが、これまでになく真剣な雰囲気を帯びて告げた。

しばし、室内に沈黙が漂った。気になる言い方にリズが首を傾げた時、見守るコーマックたちにも告げるようにジェドの声が響いた。

「考えすぎだと思うがな。それに、ニコラスに預けている幼獣は、もう離乳していて力もある。そう簡単には攫えないぞ」

言いながら、ジェドが立ち上がる。

「話は以上だ。うちも暇じゃない、お引き取り願おう」

「どうか一度、実際に殿下の周りの様子をみて頂けませんか?」
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