平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
獣騎士たちが、続いて発言するエドモンドへ視線を動かした。

「それだけ、ジェド団長が、特別に気にかけられている証拠でしょう。それに見たところ、そちらのお嬢さんは、時間があるように思いましたが?」

不意に名指しされて、リズは目を丸くした。

「え……。私、ですか?」

少し考えて、滞在中の面倒見について指名を受けているのだと気づく。

するとエドモンドが、ばっちり顔まで向けてリズに述べてきた。

「滞在の間、仕事に同行させて頂いても? 私も獣騎士候補で研修は何度も受けていましたので、幼獣の世話なども一通り経験があります。必要であれば、使って頂いて構いません」

「えぇと、王子様の護衛騎士様に、雑用を手伝わせるのも申し訳ないですし」

「ここにいる間は、君の騎士みたいに扱って頂いていいですよ。そばにいさせてくれたら、それでいいです」

ここに至るまでのことや、彼の真面目な性格を知らなかったとしたら、まるで好意でも寄せられていると勘違いしてしまいそうな台詞だ。

直後、ジェドの方からピキリと音が上がった。コーマック達が「うわぁ……」と見守っている中、不意に彼が低い声で言う。

「コーマック」

「は、はい! なんでしょうか団長っ」

「お前が責任をもって対応にあたれ。至急次の用事を済ませ次第、そっちにカルロを向かわせる」

有無を言わさず短くそう命令すると、ジェドは忙しいと言わんばかりに部屋を出て行った。
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