平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
その機嫌の悪さを伝えるかのように、最後に扉がバンッと閉まった。

「なんだか団長様、いつも以上に機嫌が悪かったですね……。もしかして、悪いタイミングだったのでしょうか?」

ピリピリした感じがあって、少し気圧されてしまった。

リズがようやくそう切り出すと、疑問の表情で見送っていたエドモンドが、正しく理解したと言わんばかりの表情になった。

「なるほど、合点がいきました」

そう呟いて顎を撫でさする彼を、コーマックたちが信用度ゼロで見やる。

「タイミングが悪いところでの訪問になってしまったために、私の用件は断られてしまったわけですか」

「何を『理解しきった』みたいな顔をしているんですか、違いますよ」

コーマックが、エリートな彼に「嘘でしょ」と愕然とした顔をした。二番目の上司の言葉を皮切りに、部下の獣騎士たちも次から次へと言う。

「絶対に違うと思うぜ。急な訪問も含めて、色々とあんたが悪い」

「そもそも緊急を用さない案件じゃん」

「エドモンドさんの場合はさ、候補生の頃からずけずけと遠慮なくてすごいわ」

その時、獣騎士の一人が動いた。

「リズちゃん、ちょっと先に、部屋の外で待ってもらっててもいいか?」

「あ、はい。じゃあ先に出ていますね」

ジェドが出て行った扉を見つめていたリズは、声をかけられて、そう遅れて返事をした。
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