平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
「良かったっすね副団長! これで、あとはエドモンドさんの滞在中の、監視仕事だけが増えるくらいで済みますね!」

うっ、とコーマックが現実に引き戻された様子になった。

自分たちの二番目の上司を、獣騎士たちが励ます。



その続くやりとりを眺めながら、エドモンドは真面目に考えた。

コーマックの大きな疲労の原因の一つは、例の縁談話もあるだろう。今のところ貴族たちは、ジェドに意中の相手ができているなんてことは知らない。

――しばらく世話になる身だ。ならば、ここは自分が気を利かせて、忙しい彼らを手助けしてやろうではないか。

縁談話については、陛下が心配して「よい娘はいないか?」と周りに言ったりしていることも原因の一つだったりする。

そうすると、陛下に伝えておくのが一番いい。

まずは、縁談話を無理に寄越そうとしなくて大丈夫な現状をお伝えしよう。もちろん、送った知らせを、途中で盗まれても大丈夫なよう工夫も必要だ。

エドモンドは、考えをまとめていく。

まだリズは婚約者になっていないから、危険が及ばないよう個人情報を伏せる。特別な位置にいる、グレイソン伯爵の名前も出さない方が懸命だろう。

少し考えたエドモンドは、陛下たちになら伝わるであろう、全ての意味が詰まった完璧な短いメッセージを思い付いた。

――だが彼は、自分の短縮文章がおかしい自覚はなく。

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