平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
白獣は、自分が持つ魔力を引き出し、共に戦ってくれる相棒騎士を求める性質があるという。そのため獣騎士には牙を剥かない、ともいわれている。

王宮では、獣騎士候補だったエドモンドが、預かった幼獣の一連の世話で大活躍したようだ。

「殿下も、離乳されるまでの世話を手伝ってくれましたよ。自分に懐いて連いてきた幼獣なのだとおっしゃって、慣れない世話作業をがんばっておられました」

食事とブラッシングは、第一王子ニコラスも行っていたらしい。離乳してからは一層、熱心に世話をしながら大切に面倒を見ているようだ。

他の人間には懐かないから、寝る時も一緒なのだろう。

リズは、考えてそう想像する。それでいて王族の身であるのに、彼は自分で時間をかけて、毎日丁寧にブラッシングまでしているのだ。

「殿下、すごくいい人なんですね」

ほっこりしてそう言うと、リズの視線を受けたエドモンドが、ちょっと考えるような間を置いた。

「まぁ、とても大切にされていますよ」

なんかリズは置かれて一拍分の沈黙が気になった。

けれどその疑問は、賑やかさを増した足元のもふもふたちの動きで終了になった。なんだろうと思って目を向けてみると、ぴょんぴょん飛び跳ねている子もいる。

まるで見てと言わんばかりのはしゃぎっぷりだ。リズと目が合うと、幼獣たちは喜んできゃっきゃ走り回り始めた。

「いつも見ない顔があるから、テンションが高いのかしら?」

「遊び相手が増えたと思っているのかもしれませんね」

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