平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
エドモンドの背中に乗った幼獣たちは、コーマックの方を全く見もしなかった。自分たちの方が上! とでも言うかのように前足でぽふぽふする。

みんなして、エドモンドに打ち勝った雰囲気をまとっている。背中や腕や、彼の頭の上で、どーんっと胸を張っていた。

しかし、威厳どころか全くもって可愛しさしかない。

幼獣たちは、どこか達成感もあって誇らしげだ。けれど、エドモンドが心遣いで全く力を入れていないから、大人しく沈められただけであるのに全く気いていない。

それに対してリズは――めちゃくちゃ感極まって感激いっぱいだった。

「なんって可愛いのかしら……!」

両手を胸の前で組み合わせて、これまで見たこともないくらいのイイ笑顔で悶えている。

コーマックは、ややあってから遠慮がちに声をかけた。

「リズさん、すみません。エドモンドさんが下敷きになってしまって動けないでいるので、一緒に助け起こしましょう」

「あっ、そうでした」

リズは、ハッと我に返った。コーマックと共に、幼獣たちを抱っこして一頭ずつどかしていく。

救出をじっと待っていたエドモンドが、やがてようやく身を起こした。

「君が、どれほど〝幼獣たちのママ〟なのか、よく分かりました」

「うっ、すみません……」

「いいことですよ。私も預かっている幼獣の世話を、パパな気分でやっています」

軍服の肩部分についたチップを、手で払いながらエドモンドが言った。
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