平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
するとジェドが、堂々とした様子で不敵な笑みで指を向けて言った。

「お前は、一番に俺を優先にしろ」

聞いているコーマックたちは、それについてはフォローできない様子だった。

それも仕方のないことなのだろう。リズは、一週間前にあった密猟団の一件で、自分が予期せぬ昇進をしてしまったことを思い出す。

幼獣の世話係〝兼〟相棒獣の助手。

獣以下な位置づけにするところもまた、鬼上司ならぬ処遇である。外向けには、相棒獣の元教育係としてサポート役、という獣騎士団長の直属扱いだ。

――相棒獣の助手とはいえ、ただただ団長様の雑用係っぽい。

カルロをそばに連れたり、食事やブラッシングをしてあげたりと、以前の教育係が世話係に変わっただけのような感じもあった。

「はぁ……、承知しました」

恐らくは獣騎士達と同じく、リズが戦闘獣に受け入れられているせいだろう。戦闘力がゼロなので、彼にとっていい雑用係なのかもしれない。

諦め気味に答えたら、獣騎士たちから生温い目を向けられた。励ますようにコーマックが柔らかに微笑みかけてくる。

「大丈夫ですよ。もしリズさんが大変になってしまうことがあったら、無理がないよう僕たちもお手伝いしますから」

そういえば、彼は副団長でジェドの一番の部下だ。自分よりも大変なのだろうと思ったら、リズはハタと冷静になる思いがした。

しかも現在、ジェドと同性同士の恋愛をしていると女性たちに噂されている。
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