溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情
それはそうなんだろうけど。


「結婚って好きだけじゃダメでしょ?釣り合いとか価値観が合わないと将来的に絶対後悔することになるよね?」

「それはつまり、ふたりにはズレがあるって言いたいのか?」


兄の言葉に首を横に振る。


「湊さんは価値観を合わせてくれる人だから。好きでいてくれる限り、合わせてくれると思う。でも」


逆説を口にした次の瞬間。


「でもって絵麻の口癖だよな」


兄は困ったように笑い、優しい声で続けた。


「まぁ、分かるけどな。俺も「でも」はよく言うし、結婚に対しては一抹の不安を感じたから。それに結婚は恋愛とは違う。一生を左右する決断だから、男だって女だって石橋を叩きたくなるんだ。ただ、勢いも大事だ。吉池のこと嫌いなわけじゃないんだろ?同棲生活はつらくなかったんだろ?」

「うん。毎日楽しいし、不思議なくらい快適に暮らせていたよ。で」


でも、と言おうとして口をつぐんだ。

それを見て兄は眉根を寄せて微笑んだ。

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