溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情
湊さんはスイートルームに入るなり、私を抱き締め、そして唇を重ねた。
「んっ……」
長いキスが頭を朦朧とさせる。
「湊さん。時間が」
「ここで寝ると言ってくれたら止める」
「だからそれは……っん」
唇を塞がれて反論できなくさせられる。
そしてキスはどんどん深くなり、呼吸も浅くなる。
体の奥が痺れてきて立つのもやっとで湊さんの服をキュッと掴むと、ようやく唇を離してくれた。
「すまない」
湊さんは少しだけ離れて言った。
「絵麻のこと、大事にしたいのに気持ちが抑えられない。好きだと言ってもらえたのに不安なんだ」
「湊さん……」
まさかそんな風に思うなんて。
背けている湊さんの頬に手を伸ばし、そっと触れ、視線を合わせる。
それから背伸びをして湊さんの唇にキスをした。
「絵麻?」
驚いたような顔の湊さんに微笑みかける。
「私、ここで待ってます。キャンセル料より湊さんの方がはるかに大事だから」
そう言うと湊さんは困ったように眉根を寄せた。
「言わせちゃったな。ごめんな」
「いえ。私は湊さんに愛されてナンボなので。湊さんの気持ちはすっごく嬉しいです。ただ、寝ちゃってたらごめんなさい」
湊さんは首を小さく横に振った。
「そばにいてくれるだけで十分だ」
そして軽くキスをしてから仕事に出掛けて行った。