溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情
「同棲すれば結婚を疑似体験出来る。きみはお見合いを受けているくらいだから結婚したいんだよな?」
「はい。でも、いきなり同棲。それもひと月って。さすがに短くないですか?」
「それなら何ヶ月が妥当な時間だ?」
聞かれても経験したことがないから答えられるはずがなく、黙って考えているとしびれを切らした吉池さんが先に口を開いた。
「ひと月程度なら破断になったとしてもダメージが少ないだろうと思ったんだが、無理だと思った時点で同棲は解消しよう。だが無制限に時間をかける気はない。同棲期間は2ヶ月。交際期間は3ヶ月にしよう」
「そうなると同棲後は遠距離になるんですね」
今、私たちがいる地元は吉池さんがオフィスを構える土地から離れている。
吉池さんの忙しさに加えて、距離を踏まえた上で同棲からスタートを考えてくれたのだろう。
離れる時間を設けることで互いに冷静になり、自分の本当の気持ちに気付くことだって出来る。
そこまで私とのことを考えてくれているのだと知れて嬉しく思う。
でも混乱していることに変わりはない。