溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情
否定するも吉池さんがさらに詰め寄って来たので慌てて言葉を付け加える。
「兄から話を聞いて『すごい人と友達なんだね』とは思っていましたけど、話の内容からして雲の上の存在みたいだったのでまさか関わるなんて思ってもみなかったから気に留めていなかったんです。それだけです」
言い終えるや否や、背中が壁に当たった。
「今は?」
至近距離での問い掛けにドキドキして、頭が真っ白になり、返事が出来ない。
ただ吉池さんの綺麗な瞳を見つめ返していると質問が重ねられた。
「今はどうだ?」
「ドキドキしています」
考えるでもなく言葉にすると吉池さんは少しの間のあと、顔を背けて笑った。
「え?なんで笑うんですか?」
「いや、今って、現在のことを言うから」
言われてハッと気付いた。
「ごめんなさい、私」
恥ずかしくて手で顔を覆うとその手は吉池さんに外された。
「本当に可愛いな」
「え?」
聞き返すと吉池さんは私の体を抱き寄せ、耳元で囁いた。