勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「草履、疲れない?」
「は、はいっ、だ、大丈夫ですっ」
突然顔をのぞきこまれて、ぴょんと後ろに飛び跳ねる。
び、びっくりした!
なんだかもう、ドキドキしてたまらない。
でも、うちのお父さんなんて、
お母さんが着物を着ててもスタスタと先に歩いて行っちゃうのに。
九条さんは優しいな。
「お姉さんの代わりに来るからって、
わざわざ着物で来なくても良かったのに。
朝から大変だっただろ?」
「振り袖を着せてもらえる機会なんて、めったにないので」
「着物、好きなの?」
表情をゆるめる九条さんに、笑ってうなづく。
「本家に古い着物がたくさんあるんです。
どれも美しいものばかりで……」
「だから着慣れてるんだ?」
……って、言いながら笑ってますね?
笑いをこれえきれていない九条さんをちらりと睨む。
「……九条さん、もう少し笑うの我慢してくださいっ」
あんなに派手に転びかけたら、
着物が好き、なんてとても言えないけれど!
「くくっ、ごめんな。
彩梅さんの反応が可愛いすぎて、意地悪したくなる」
可愛すぎて、……意地悪したい?
もう、どこまで本気で言っているのか、全然わからないよ!
ぷくっと頬っぺたをふくらませると、
九条さんの両手が、私のほっぺったを挟まれた。
……え?
「は、はいっ、だ、大丈夫ですっ」
突然顔をのぞきこまれて、ぴょんと後ろに飛び跳ねる。
び、びっくりした!
なんだかもう、ドキドキしてたまらない。
でも、うちのお父さんなんて、
お母さんが着物を着ててもスタスタと先に歩いて行っちゃうのに。
九条さんは優しいな。
「お姉さんの代わりに来るからって、
わざわざ着物で来なくても良かったのに。
朝から大変だっただろ?」
「振り袖を着せてもらえる機会なんて、めったにないので」
「着物、好きなの?」
表情をゆるめる九条さんに、笑ってうなづく。
「本家に古い着物がたくさんあるんです。
どれも美しいものばかりで……」
「だから着慣れてるんだ?」
……って、言いながら笑ってますね?
笑いをこれえきれていない九条さんをちらりと睨む。
「……九条さん、もう少し笑うの我慢してくださいっ」
あんなに派手に転びかけたら、
着物が好き、なんてとても言えないけれど!
「くくっ、ごめんな。
彩梅さんの反応が可愛いすぎて、意地悪したくなる」
可愛すぎて、……意地悪したい?
もう、どこまで本気で言っているのか、全然わからないよ!
ぷくっと頬っぺたをふくらませると、
九条さんの両手が、私のほっぺったを挟まれた。
……え?