勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「彩梅、これは誉め言葉」




優しく目を細める九条さんに、胸がキュっと苦しくなる。




九条さんと一緒にいると、



ドキドキしたり、切なくなったりとにかく気持ちが忙しい。





すると、店内を見回した九条さんがぽつり。





「じーさん達、どうやってこの店調べたんだろうな?」




「うちのおじいちゃんなんて、



こんなお店、絶対に知らないと思うんだけど……」





「じじい達がふたりでネットで検索?」





「“流行りのデートスポット”とか、“お出かけランキング”とか?」





ぷっ、ぷぷぷぷっ!




その姿を想像して盛大にふきだしたところで、



巨大なお皿に乗せられたパンケーキが運ばれてきた。



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