勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
ふるふると、頭を横にふる。




「ずっと女子校?」




「はい」




「いつから?」




「幼稚園からです」




九条さんが絶句したまま黙りこんでしまったので



パンケーキに集中していると、



まわりから感じる熱い視線。





んん?





キョロキョロと店内を見回して、ハッと気が付く。





視線を集めているのは、……九条さんだ!





お見合いの日はスーツを着て髪もきちんと整えていたけれど、



今日の九条さんはバサッと髪を下ろしていて、



その自然な姿がモデルさんみたいで、ものすごくカッコいい。 




九条さんは注目を浴びることに慣れているのか、



まわりからの視線を気にすることなくハンバーガーを頬張っている。





「どうした、彩梅?」




「な、なんでもないです!」




恥ずかしくなって、九条さんから視線をそらす。



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