勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
ふわふわとした足取りで家に帰り、



ベッドの上で沈黙を守り続けるスマホと正座して向かい合う。




「今日はありがとうございました。



コタロウくんに会えるのを楽しみにしています」




その短いメッセージを送ろうか悩んでは、送信できずに、



ぽふっと枕に顔をうずめる。




九条さんは友達ではないし、婚約破棄の決まってる婚約者なんて、



もしかすると他人より遠い存在なのかも。





いやいや、もはや婚約者ですらないのかも!





保護者って言ってたし……!




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