メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
朝起きてキスを浴びせて抱き合った。いつまででもこうしていられる自信があるが、布団の中で後ろから抱きしめたまま『今日は予定あるのか?』と聞いてみる。

「袴レンタルだから返送しないといけないし、午後からバイトで今日最終日なの。」

「・・・じゃあ送ってく。」

数ヶ月間距離を置いていた彼女との距離は昨日0に、いやむしろマイナスになった。こうなってしまったらもう一秒も離れたくない。不満100%の声を出した俺を振り向いて杏花がくすりと笑った。

「・・・なんだよ。」

「どんな顔してるか見たかったの。すごく可愛い顔してる。」

「・・・ふーん、そういうこと言うのか。お前さ、今どういう状況かわかってる?」

「え?」

「可愛い顔してるのはお前だろ。このまま一日離さないことだって出来るけど。返送もバイトも知るか。」

そう言って彼女の服の中に手を入れ柔らかいところに触れると、顔も体も期待以上に反応してくれる。

まずい、と思った時にはもう唇を塞いでいた。彼女に覆い被さって服をたくし上げると、昨日自分がつけた痕がたくさん残る白い肌が現れる。

「は、るひと・・・あの・・・。」

「そんな色っぽい顔されたら本当に帰せなくなる。」

その言葉に杏花は両手で顔を隠した。

「・・・隠すの、顔でいいのか?」

際どい場所に触れると可愛らしい声が漏れた。

「ちゃんと間に合う時間に家に送るから。少しだけ・・・。」

『少しだけ』で済むはずもなく朝から熱い時間を過ごしてしまった俺達だった。
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