メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
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今日一日がすごく濃くてクタクタだったが、明日は研修だし朝ではなく夜にゆっくりお風呂に入っておくことにした。

私がお風呂から上がり、入れ替わりで暖人がお風呂に入っている間、爽ちゃんに彼とのことをメッセージで送るとすぐに電話がかかってきて、爽ちゃんは『よかった・・・。』とひとしきり泣いてから驚くべき発言をした。

「7月の結婚式のブーケトス、杏ちゃんに受け取ってほしいなぁ。」

「ええ・・・私達はまだそんな・・・つい一昨日始まったばかりだよ。」

「そんなことないよ。電車で初めて会ったって言ってたよね?その時から始まってるよ。」

「・・・そっか。」

「それに彼は将来のことまで考えてるから杏ちゃんから距離をおこうとしたんじゃないかなぁ。今だけのお付き合いだったらそんなに深く考えなくてもいいと思うし。杏ちゃんが結婚するならクリエイターの自分ではなくて毎月安定した収入がある人の方がいいんじゃないかとか考えたんじゃないかな。」

「まさかぁ。そんなこと・・・。」

「大いに有り得るよ。話聞いているとストイックで不器用な感じの彼みたいだし。来年あたりプロポーズされちゃったりして。」

この時の爽ちゃんの予言を私はフォーチュンクッキーの占いくらいに思っていた。そうだったら嬉しいけれど、そんなことあるわけないよね、なんて。


───7月、太陽が眩しく輝く日に行われた爽ちゃんの結婚式。爽ちゃんが後ろ向きで放ったブーケは綺麗な放物線を描いて私の目の前に落ちてきて、思わず手を出したらそこにすっぽりと収まった。そして爽ちゃんの予言通り翌年の3月末、私は暖人に結婚を申し込まれることになる。
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