フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約
そのあと拐うように強引にヘリコプターに乗せられ、 空へと向かったけど。
眼下に広がる東京の夜景は、まるで宝石を散りばめたような輝き。
「……綺麗」
思わず呟くと、サングラスを外したレイがポツリと言った。
「アンタの方が綺麗だ」
けど、どうしてもその言葉に反発したくなる。
「どこが?もう、肌荒れはひどいし、小じわはあるし……私は全然綺麗なんかじゃない……」
「見た目だけで判断する愚か者だったら、そうだろうが、あいにく私には通じない」
そう言ったレイは、私をぎゅっと抱きしめてくれたけど。私は素直に抱擁を返せなかった。
「……10年も、経っちゃったんだよ……」
「ああ」
「その間、さ、寂しくて……ぐらついた時もあった……」
「……そうか」
「でも……できないよ!だって……私、まだレイが好きだから……!!」
涙ながらにそう告白した瞬間、息苦しいほどにレイに抱きしめられた。