フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約

「IT関連の社長ですか……」

お父さんは難しい顔をして、真宮さんをじっと見つめる。

「正直、私はIT方面はさっぱりだが、水もので変化が激しいものだと思っている。好調な時はいいが、いったん傾きだすとその後の減速と悪化ぶりの差がすさまじいと。特に、君たちのようにここ数年で成長した会社は、すでに定番化した大手サービス会社に比べたら、将来性は明るいと言えないのではないかね?」

「つまり、私には安定性がないとおっしゃりたいのですね」

真宮さんの問いかけに、お父さんは頷いた。

「今は昔ながらの堅実な大手企業でさえ、簡単に危なくなる時代だ。君たちのように、目に見えないもので商売する人間は、残念だがあまり信用できない」

お父さんらしいと言えばお父さんらしい考えだった。

高卒で今の工場に勤めて約30年。日本のもの作りに携わってきたからこそ、娘の私を思うからこその言葉だった。

だから、娘の私は嬉しいようなホッとしたような。ちょっとだけ残念なような……複雑な気分だった。

お父さんが反対したとなると、(偽りとはいえ)婚約し結婚なんて無理だ。

(そうだよね……やっぱり不自然だ。私みたいなモブと主人公のような真宮さんとじゃ釣り合わなさすぎる)

少し冷静になれば誰もがわかることだ。

これは、破談(?)かな。仕方ない……。
< 24 / 139 >

この作品をシェア

pagetop