フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約
「今すぐ信用していただこうと、都合の良いことは考えていません。正直、先行きが不透明な業種であることは事実ですから」
真宮さんはあっさり認め、軽く頭を下げる。
「これからはリモートワークやテレワークが当たり前になる時代だと、関連するアプリを開発中です。必ず業界のスタンダードにしよう……と大手SNS会社と提携しました」
(ま、真宮さん!まだ発表されてない企業秘密をそんなにあっさり話していいの?)
私の焦りをよそに、真宮さんはスマホ関連でセキュリティ強化のプロジェクトがある、とまで話してしまって。
彼がこれだけ頑張っているなら……と私もなぜか、応援したくなってきた。
「そ、そうなの。私が惹かれたのは、彼が社長だからじゃない。彼の夢とか素敵だから……そのため一生懸命働いてる姿だよ。本当に、眠る間もないほど忙しいんだから」
私がこう言えたのも、数日彼の家にいるからだ。
正直、引っ越して夜から朝まで彼がマトモに家にいたことがない。だからこそ、どれだけ大変か知ってたんだ。
たまに午前さまで帰ってきたとしても、スマホが鳴りすぐとんぼ返りなんて何度もあった。