あざといきみの誘惑は



「じゃ、おれらに取り入ることは、命令?それとも、自分の意思?」




その言葉に、頭が急速に稼働し始める。


どうする?ここはなんて答えた方がいい?
嘘をつくとして、それは青羽相手に通用する?

もしバレたら一体どんな仕打ちが待っている?

暴力に、他人をこわすことに躊躇のない奴らだ。
もちろん、それは女子が相手でも相違ない。


となると、ここは─────、




「どっちも、です」




本当のことを言うしかない。


信じてくれないかもしれない。けど、これが私の中での真実。嘘偽りは、ない。


向かいに座っている青羽の顔を見れなくて、ジッとガラスのローテーブルを見つめてしまう。

……と、




「……ふうん」




そんな、信じたような、信じていないような。

どっちつかずの言葉が落とされた。



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