あざといきみの誘惑は
……なんて、いくら後悔しても遅い。
後悔先に立たず。後の祭り。
もう後悔なんて、一気に満腹になるほど味わったというのに、まだあるのか。
しかも、こんなプレッシャー付きで。
一生覚えてそうな、悔やんでも悔やみきれないような後悔を二度もありがとう。
そして、そんな後悔くそくらえだ。
「……あって、ます」
喉が乾いてしかたない。カラカラで、かすれた声しか出せないよ。
「……それは、おれらに出会う前からだよね?」
「は、い」
ここで、謝ったりしてはいけない。
なぜか、それだけは明白だった。
「じゃあ────、」
「ねーねー青羽ー」
青羽が何か言おうとした瞬間、ビーズクッションにぐでーっと座っていた明間綺良が、ジッと視線を私によこして。
「質問とかいーからさ、ぶん殴っちゃダメ?」
好奇心旺盛な小学男児みたいな無垢な瞳で、残酷すぎることを言い放った。