長い梅雨が明けた日

そんな俺の横にいたはずの健二が既に動いていた。

女子部の一団に歩いていく健二。

健二が近付くと女子部の一団は、理乃を健二の前に差し出して冷やかしてからきゃいきゃいとこちらに歩いて来た。

「あ、豊永くん、優弥くんまたねー」
「豊永くん、河野に先に取られちゃったねー残念」
「キャー!豊永くん、私らと一緒に帰ろうよー」
「私は優弥くんと帰りたいー」


…うるさい。


俺等の横を通り過ぎ様に言いたい事を言って行く女子部の面々。

そんな女子部に「皆んなまたねー」と手を振ったトヨが俺にだけ聞こえるように言った。

「俺は優弥が先に動くと思ったんだけどな。…まぁいいや。
俺はお前等と遠慮しあうつもりねぇからな。勝手にやらせてもらうわ」

そう言ってトヨは理乃と河野の元に歩き出していた。

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