1日だけの恋~10月25日夜完結~
「……出ていったよ」
そう言い男は私の体から手をそっと離す。

「……お芝居、ありがとうございます」
言いながら、恥ずかしくて男の顔をまともに見られなくなっていた。

「いや、いいんだ。それより」
男は私の耳元へ顔を寄せた。

「僕との約束忘れないで」
そう囁かれ、私の体は意思に反してゾクッとしてしまう。

「も、もちろんです。ご連絡お待ちしてますっ」
動揺をかくすようにあたふたとテーブルから離れた。

「よろしくね」
後ろから男の明るい声が追いかけてきて、より足を速めていた。


急いでホテルを出たときには、大きなため息をが出てきた。


青く澄んだ空を見上げ、手をかざし目を細める。

ーーーこれで、第一関門突破だ。

話は、予想外の方向に進んだが、全て考えていたよりよい方向へ進んだ気がする。

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