1日だけの恋~10月25日夜完結~
さっきの男からは、すぐに連絡が来た。

「はい、もしもし」

「先程は、どうも。きみの恋人です」
男は妙な名乗り方をした。

緊張していたけど、男と電話で話せることがうれしかった。

嬉しさが溢れないように気をつけて返事をした。

「はい、わかります」

「今、どこにいるの?」

「まだ東京駅近くです」 

「なるほど。まだ少し時間はある?」

「はい。まあ」

あまり、気が乗らないような返事をした。
そうでなければ、尻軽だと思われてしまう。

いや、逆に尻軽と思われた方が都合がいいだろうか。

「では、今から僕に君の時間をすこーし下さい」
意味深でそれでいて、どことなく含みのある言い方にドキッとなる。

「どういうことですか?」

「僕との約束覚えてます?」

「もちろんですが、私はなにをすればいいのかと」

「会った時にお話しますよ。今から会いにいきます。君が今いる所を教えて下さい」

これから、また会えるの?

かなり想定外だが、嬉しいには違いない。

私は胸を踊らせていたが、極めて冷静に丸の内仲通りにいると話した。
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