1日だけの恋~10月25日夜完結~


「素材と環境。それだけで充分でしょうか?」
綿貫さんの質問に花村さんは、薄ら笑いを浮かべた。

「あとなにが?」

この人は知らないんだ。

それとも知っていてもそれが結婚には必要ないと思っているのかもしれない。


「結婚に一番必要だと思うのは、お互いの気持ちですよ。

あとは
そうだな……

はじめは、互いの気持ちが同じ方向を向いているのかを確かめてみて

それから、互いを思いやる気持ちがあるのか見極めて

そこから結婚へと一歩ずつ踏み出していくものでは?」

ゆっくりと紡がれていく綿貫さんの世界。

こんな綿貫さんに憧れてた。
雑誌のインタビューと同じ。
私の心に刺さる言葉を綿貫さんは、どんどん紡いでつなげていく。

反論するように花村さんがこたえた。

「お見合いをする段階で
、結婚に向かい、お互いの見ている方向は既に同じだと思いますし、人を思いやることは元来基本的に備わっているものだと思います」


「夫婦においての特別な感情は?」

「愛とかですか?」

「ええ」

「恋愛結婚ならあるでしょうが、お見合いにそれを求めます?」
花村さんが同意を求めるように私を見た。

えっ?


お見合いで「愛」は、求めちゃダメなの?

出会いの一種だとして、生まれる人もいるかもしれない。その感情が生まれてほしい。

そう願ってた。
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