1日だけの恋~10月25日夜完結~
「彼女は返事に困っているようです」
「はあ、……でも、えっと」
明らかに動揺している花村さん。
「彼女は見合いにも
それを望んでるんじゃないかな」
綿貫さんの瞳が、言葉が、私の心を揺さぶる。
「え?」
「それに、こういったらなんだが
彼女はあなたの手に余る女性だと思いますよ」
少し口の端を上げてみせた綿貫さん。
「は?どういう意味ですか?」
馬鹿にされたと感じたのか花村さんはムッとした表情をしている。
「彼女は夢を追う人間でね。
常に夢をみて…」
綿貫さんが言いながら突然私の手を掴んできた。
それから、強引に引っ張られて、開いていたエレベーターに乗せられてしまう。
「……その方向をまっすぐに向いている人なんですよ」
すぐに閉のボタンを押す綿貫さん。
「連れてくなよっ待て!!」
乗り込もうとしてきた花村さんの胸を綿貫さんが思い切りドンと押した。
わっ!と声がしてよろけて尻餅をついた花村さんの前でエレベーターが静かに閉まった。