1日だけの恋~10月25日夜完結~
「部屋に来ました。ロングヘアーで赤い服の美人で……」
「ロングで赤い服?
あーもしかしてNANAだよな。誤解するな。NANAは、親友でもあり専属の秘書をやってくれてるんだ。前に良くない女に俺が引っ掛かってから対応が過敏になってんだよ。悪いな。注意するから」
良くない女に引っかかる。
そんなことが綿貫さんにもあるんだ。
それより、あの人が親友で秘書?
それは本当なの?
信じられない思いで綿貫さんを見た。
綿貫さんは、私の身体を抱き寄せて耳元で囁くように言う。
「マリアは特別だから、友好的な対応してくれるように言うよ」
「でも」
腰をグッと引かれる。
「なぁ、
夢を現実にしようと思わない?マリア」
こんなにも間近で綿貫さんに瞳を見つめられたらひとたまりもない。
「でも……
お見合いはもう決まっていたことだし、
結婚も……」
お見合いは、どうすればいい?
両親は?
問題だらけでどうしたらいいのか、わからない。
「マリア、しっかり目を覚まして」
戸惑う私。
綿貫さんに頬を軽くペチペチされていた。
「……ぅっでも」
うろたえる私の顔は、綿貫さんによって上を向かされていた。
「今、きみの目に誰が見えてる?」
「綿貫さんです」
「いいか?
これが現実。
もう時間がないよ。
マリア、選んで
ラウンジの階で降りるか、
俺の部屋にくるか」