交錯白黒
饒舌な彼女の話は、私への問いかけで締めくくられた。
花火の音と光が煩わしい。
もし、高田さんがこの場に来なかったら、この光は甘いものに変わっていたかもしれないのに、そんな私利私欲丸出しの考えはすぐに断った。
「成る程ね……」
今までの話から推測するに、彼女は何らかの事象で私のことを忌み嫌っている。
その何かの報復として私を痛めつけようとして、見事に成功した訳だ。
意図してイジメをしてはいなく、橘くんも被害者であった。
何が原因かわからないのに嫌われるのは不快で腹が立つが、女子というペルソナの手前、はっきりと告げる訳にもいかなかったのだろう。
まあ、おおよそは私の捻じ曲がった私の性格が問題なのだろうが。
いつまでたっても直せないことにチクリと胸が痛んだ。
ここまでわかれば、充分。
STEP2ね。
彼女の心情を晒け出させる。
「……そんなの、逆恨みじゃない。私、何もしてない。貴女、人の気持ちって考えたことある?理不尽に、理由も分からず人から疎まれるのってとっても辛いのよ」
人は、一つの感情で一杯一杯になると、本音が出る。
いくら巧妙に、そして自分自身さえ気づいていなくてもその感情の制御に手一杯で本音を隠す暇がないのだ。
それが一番起きやすいのは、怒り、そしてその次に悲しみ。
その感情に支配されると、人はある意味素直になれる。
言い換えれば、感情に負け、暴走を制御できなかった未熟者、というところだろうか。
「橘くんのことだって……人の弱味をそうやって武器にして、執拗に抉るなんて、最低よ。あり得ないわ。同じ人間だなんて思えない。いいえ、思いたくもないわ」