僕の彼女はかっこいい
「え……館山くん?」
「驚いた、小野さんまた生徒会に入ったの?」
「う、うん」
笑って話しかけてくる館山くんを見て、少し戸惑うのはこんなにフレンドリーに話しかけてこられるのは初めてだったからだ。
中学のときだけ一緒だった館山くんとは、同じクラスになったことなければ、共通の友達がいたわけでもなく、話したことさえもない。
「思わず声掛けたけど、俺のこと分かった?」
「……うん、生徒会長だったから。大体の学年の子は把握してたよ」
それは嘘だった。
いくら生徒会長だからといって、顔は分かっても全員の名前を把握してはいない。