激おこ転生幼女のモフモフ無双!
「クソッ! 全て農民に扮したあの男らの計画の内か! 幼いフローラちゃん相手に、なんて奴らだ!」
 ドラゴン殿のみならず、ユルグたち騎士も苦渋に顔を歪め、こぞって怒りの声をあげた。
「ドラゴン殿、そいつらの行き先はわかるか!? そこにフローラが捕らえられている!」
「ギュガッ(当たり前だ! さっさと行くぞ、乗れ若造!)」
 飛竜騎士団は一糸乱れぬ飛行で、一路フローラの元を目指した。その飛行はまさに、これまでの過酷な鍛錬や今回の長距離飛行訓練の集大成と呼ぶに相応しいものだった。

 しばしの飛行を経て、アイボリーのドラゴン殿が嘶きを上げたのは、古い小屋の上空だった。
「ギュガッ(ここだ!)」
 自然の岩穴を背面に利用して建てられた小屋は、ただでさえ周囲から分かりにくい立地。さらに、とうの昔に捨て去られた小屋の周辺には鬱蒼と木々が生い茂り、一層その存在を分かりにくくしていた。
 そんな小屋の前で、数人の男らが目くらましのためにあくせくと岩詰みに励んでいた。その中の三人に見覚えがあった。
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