激おこ転生幼女のモフモフ無双！

「騎士団長、あれは……！」
　すでに農民の扮装は解いていたが、間違いようなどなかった。
「ああ、奴らだ！」
　小屋の脇に置かれたままの脱穀機を認めれば、この小屋が古く食糧の保管や管理のために建てられたものだとわかる。とはいえ、一般的に岩材というのは通気性が悪く、さらにここは人里からも遠い。
　あえて背面が通気性の悪い岩壁で、立地の不便なここを食糧保管場所に選んだのは、……っ！
「おそらくこの小屋には地下がある！　どこかに地下に続く階段があるはずだ、見過ごすな！」
「このオンボロの小屋に地下室ですか!?」
　俺の声に騎士らが驚きの声をあげる。王侯貴族の居城ならいざ知らず、平民の居住において、いまだ地下建築というのは一般的ではない。
「構造を見るに、おそらく岩穴がもともと地下に向かって抉れていたのだ。その形状と岩材の特性を利用して、低温を維持するための氷室を地下に作ったのだろう。フローラは、地下に拘束されている可能性が高い！」
「ギュガァッ！」
「あいつら、よくも……！」