ラグジュアリーシンデレラ
あの後、少しの時間いなくなって、斉藤さんに心配された。

優しい斉藤さんには怒られなくて、本当によかったと思う。


そしてあの”バケツに書類事件”から1週間。

あの人は、仕事大丈夫だったのかと、ちょっと気になったりして。

でも私達は基本、誰もいないオフィスを清掃するから、社員の人達とは会わない。

社員の人達が出勤してきたら、基本廊下や空いている会議室の掃除に周る。


「今日からオフィスの掃除にも、入ってもらおうかな。」

「はい。」

斉藤さんの指示で、オフィスの清掃に当たる。

一番最初のオフィスは何と、書類の印刷で入った、あのオフィスだ。

「株式会社 インテリジェンス……」

「ねえ、何の会社なんだか。」

カッコいい会社名を確認した後、私達は掃除機をひたすらかけた。

「こんなものかな。もう隣のオフィスに行くよ。」

「本当にサラッと掃除機かけるだけなんですね。」

「そうじゃないと、全部のオフィス、掃除機かけられないからね。」

スタンド型の掃除機を持って、斉藤さんと一緒に、次々とオフィスに入りまくる。

「後は、サッシの水拭きだね。鍵は開いているから、また次々と拭いていこう。」

「はい。」
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