ラグジュアリーシンデレラ
「……はい。」

恐るべし、斉藤さん。

って言うか、いつも助けて貰っているから、斉藤さんにはウソつけない。


そして12時。

「お疲れ様でした。」

斉藤さんに声を掛けると、親指をグッと立てていた。

なんだか、緊張する。

私は着替えると、ビルの正面玄関に着いた。

井出さんはまだ、来ていないみたい。

時計は、12時10分を回ったところ。


その時だ。

「ごめん、遅くなって。」

井出さんが走って来た。

「いえ、私も来たばかりなので。」

「本当?よかった。」

スリムな身体。きっとジムかなんかで、鍛えているのかな。

「何か食べたいモノある?」

「いえ。井出さんに合わせます。」

「お礼なんだから、好きな物言っていいんだよ?」

どうしよう。本当に言っていいのかな。
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