ラグジュアリーシンデレラ
えっ!?病院!?

私、病院に運ばれたの!?


「過労だって。働き過ぎだよ、結野ちゃん。」

「ははは、情けない。」

「そんな事ないよ。」

井出さんは、私の手をぎゅっと、握ってくれた。

「まだ若いのに、倒れるまで仕事するなんて。」

井出さんの、その悲しそうな表情が、私には歪んで見えた。

「そんなに、悲しい目で見ないで下さい。」

「結野ちゃん。」

「生活の為に働くって、普通の事ですから。それに今回倒れたのも、私が体力なかっただけで、今度は倒れないようにしますから。」

辺りがしーんとなる。


「結野ちゃんの言う通りだ。」

「すみません、生意気言って。」

「ただね。俺が、結野ちゃんを心配している事は、知って欲しい。」

井出さんは、私の目をじっと見つめる。

「はい。知っています。だって、倒れただけで病院に運んでくれるなんて。却って迷惑なんじゃないかって。」

「迷惑じゃないよ。」

じーっと、井出さんに見つめられると、身体が熱くなってくる。
< 62 / 177 >

この作品をシェア

pagetop