ラグジュアリーシンデレラ
こんなに、井出さんに迷惑ばかりかけて。

何やってんだろ、私。


「じゃあ、お礼に俺と付き合って。」

病院の入り口の前。

私は目が点になった。

「俺の彼女になってよ。」

そう言って井出さんは、私の腕を取って、タクシーに乗った。


頭が混乱している私は、返事もできずに、頭がボーっとしている。

「家、どこ?」

「あっ、中央町の方。」

「OK、運転手さん、中央町まで。」

タクシーが動くと、井出さんは私の手の上に、自分の手を置いた。

温かい。

井出さんの温もりが伝わってくる。

そう言えば井出さんは、いつも優しかった。

迷惑ばっかりかけているのに、そんな素振りも見せないで。


「あの、井出さん。」

「返事は、タクシーを降りてから聞くよ。」

「えっ?」
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