密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~

「玲……じゃなくて社長。どうされたんですか?」
「例の新店舗に最適の物件が見つかったんだ。きみにも一緒に見てもらって、よさそうならすぐに押さえたい。店を抜けられるか?」
「ホント? 店長に確認してくる!」

 仕事中は、たとえ夫でも一線を引いた態度で接しなければと心掛けてはいるが、夢の新店舗に関する話となると、つい興奮していつもの話し方になってしまった。

 店長に許可を得てからロッカールームで着替え、店内で待つ玲士のもとへ戻ると、カウンターにいた間山の姿が消えていた。

「あれ、間山、もう帰ったんだ」
「『雛子をよろしくお願いします』と言われたから『あなたに言われなくても』と返したら、泣きそうな顔をして帰った」

 玲士は店の外を見ながら、素っ気なく言った。

「えっ……それは玲士の言い方が冷たすぎじゃ」
「仕方ないだろ。雛子の周りをウロチョロする男は誰であろうと気に食わないんだ。ほら、行くぞ」
「……はい」

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