密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~

 結婚してもまったく変わることのない彼の独占欲が、うれしいやら恥ずかしいやら。

 私はどんな顔をしたらいいのかわからず俯いたまま、彼の背中を追って外に停まっていた社用車に乗せられた。

 新店舗の物件は街並みの綺麗な川沿いにあり、駅から徒歩十分程度。住宅街や学校、オフィスビルもそばにあり、まずまずの集客を見込めそうな好立地だった。

 私も玲士もひと目で気に入り、即契約。すぐに工事に着工できるよう、玲士は秘書に関係各所への連絡を任せていた。

「いよいよだね」
「ああ。今さら怖気づいてないだろうな?」
「まさか。すっごくワクワクしてる」

 まだ空っぽの物件に並んで立った玲士の質問に、私は自信を持ってそう答えた。

 今はなにもないけれど、ここには私の夢と、会社を背負って立つ玲士の希望がいっぱい詰まっている。

 きっと素敵なお店にしてみせるんだから。

 おもむろに目を閉じた私は、オープンしたこの店で生き生きとコーヒーを淹れる自分をイメージし、期待に胸を膨らませた。

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