密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~
『そんなことを言うなら、俺はとっくに落ちているよ』
『え?』
『きみの淹れたコーヒーを飲んだときから、この胸はどうも騒がしくてね。媚薬でも入れたんじゃないのか?』
『そ、そんなことするはずないじゃないですか!』
バリスタとしてのプライドが刺激されたのか、雛子はムキになって眉をつり上げた。俺はその反応にクスクス笑いをこぼし、そっと雛子の手を取って自分の左胸に押しつけた。
『それなら、ここがこんなに高鳴っている理由は……きみに恋をしているせい、ってことだ』
服越しにでも、雛子の手が自分に触れている。その事実が、ますます俺の鼓動を速めた。雛子は注意深く手のひらの感触に集中して、それから小さくつぶやく。
『嘘……玲士さん、本当にドキドキしてる』
『だから言っただろ。怖いくらいにきみに落ちているのは、俺の方だ』
『でも、まだ知り合ったばかりなのに、どうして』
『恋愛感情なんて、解明しようとするだけ無駄だ。本能の赴くまま、相手を欲しがればいい』