密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~

「ん? なに?」
「今度手掛ける新店舗の情報だ。ざっと見て、とりあえず感想を教えてほしい」

 急にビジネスモードになった彼に戸惑い、眉根を寄せる。

「えっ? そんなの私みたいな素人に見せてどうするのよ」
「いいから。雛子が見ないと意味がない」

 再度促され、私は釈然としないながらもタブレット画面に視線を落とす。

 パッと目を引いたのは、店のコンセプトと思われるこんなフレーズだった。

【365日、特別な一杯を飲めるコーヒー専門店】

 それを目にした瞬間、心がざわっと波立った。

 誤解だなんだと言いながら、玲士はやっぱり、私の目指していた理想の店を自分のものにしようとしている……?

 疑心暗鬼になりながらも、画面をスクロールさせていく。次に現れたのは店舗のイメージ画像だった。

 添えられた説明によると、広さは約十五坪。席数は二十~三十の小ぢんまりとした店だ。壁素材に白木を使った明るい店内に、観葉植物。カウンターには、立派なサイフォンが三台並んでいる。

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