密かに出産したら、俺様社長がとろ甘パパになりました~ママも子どもも離さない~

「このサイフォンは、ただのイメージ? それとも本当に置くつもり?」
「置くよ、画像の通りだ。雛子はサイフォンで淹れる技術もあるんだろう?」
「それは、あるけど……」

 私がサイフォンを使えたって、関係ないでしょう。さっきからどうしていちいち私に確認するの?

 釈然としないまま読み進めると、取り扱う予定の商品とその予定価格、見込みの売上高、従業員に支払う給与や水道光熱費など経費の一覧表が、ずらっと並んでいた。

「……こんなものを私に見せてどうするの?」
「その前に、雛子の感想が聞きたい。この店に魅力を感じるか?」

 そう聞かれて、私は再度タブレットに視線を落とす。

 魅力……は、感じるに決まっている。

 大きすぎない店の規模。ナチュラルテイストのインテリア。スプリング・デイにも一台は欲しいと思いつつ予算的に買えないでいるサイフォンは、贅沢にも三台。

 なにより、日によって違う、特別なコーヒーを出すという店のコンセプト――。

 いつか持ちたいと願っていた、私の理想の店そのものだ。

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