暗闇の先に…(続)


そんな光景を微笑ましく見ていると



「彩夢、何 他人事みたいに笑ってんだよ。お前にも関係あるんだぞ」



「えッ、いや……何か こういう…親子のやり取りって言うか、言い合える関係って羨ましいなって思っちゃって。お父さんやお母さんがいたら多分こんな感じなんだろうなって……」



「彩夢…」



ハッと気付くと、さっきまで和んでた空気が重たくなっていた




「あっ!いやッ スミマセン!!そんなつもりで言ったんじゃないんです!変な空気にさせてしまって ごめんなさい」




まくし立てるように謝って俯いた



すると、ふわりと頭を撫でられた



その瞬間、顔を上げるとニッコリと笑った陸斗のお母さんとお父さんが視界に入った



「私達がね…結婚した時 本当は女の子がほしくてたまらなかったの。でも、見ての通りでしょ?だから、湊斗と陸斗にお嫁さんが出来たら我が子より可愛がろうって決めてたの。お父さんだって、彩夢ちゃんが挨拶に来てくれた後 いつも以上にご機嫌で鼻の下伸ばしっぱなしだったのよ」



そう言ってくれる陸斗のお母さん




「彩夢ちゃん、俺達の事は本当の親だって思ってくれて構わないからな。何ならパパとママって呼んでくれ」



陸斗のお父さんが そう言った瞬間、隣でお茶を飲んでいた陸斗が豪快に吹き出した




「ブッッ!ゲホ!!ゴホ…ッ」



「ちょっと!汚いわねぇ!この子ったら」



お母さんは慌てて、タオルを陸斗に手渡してテーブルを台拭きで拭く

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