MATSUのごくありふれた平凡な日々
「あ~、不覚だ、一生の不覚」
松はぶつぶつと呟きながら、ハイボールのジョッキを掴む。
あれだけ暁に恩を売ったつもりだったのに。
よくわからない“領収書”を平気で回してくる、あるいは期限に出してこない。
押印してこない。
添付するはずの報告書がない。
その場で聞き取りしながら、何度、報告書をパソコンで速打ちしてやったことか。
ムカつきながら100均で買った印鑑で何度、押印したか。
松はジョッキの取っ手を、砕かんばかりに握りしめる。